「仕事とプライベートの時間の境目がない」
「夫の家族が農家なので一般社会とかけ離れた考え方に疲れた」
「私の収入と自由な時間はどこにあるの」
結婚生活は幸せと考えがちですが、現実は必ずしもそうとは限りません。
特に農家の嫁としての生活は、一般の会社員の生活とはさまざまな点で違いがあります。
長時間労働、天候による予定の変更、家族との協力関係、不安定な収入など、さまざまな要因が絡み合う中で離婚を考える女性も少なくありません。
本記事では、農家の嫁としての生活における離婚の実情と、離婚の準備事項について解説。
自分の人生を考え直してリセットし、もう一度やり直す決意への手助けになればと思います。
ぜひ最後まで読んでください。
農家の離婚率と離婚年齢
農家の離婚は2001年の年間6,700件をピークに2022年の2,100件まで減少傾向にあります。
しかし農家への結婚件数も減少していることも考慮すると、離婚件数が減っていても離婚率は特に変化はしていません。
農家の離婚率は約5%から6%程度あたりを推移していますが、農村では離婚率が高くなっているように感じる傾向にあります。
離婚率が高く感じる理由は農家の場合は顔なじみになりやすいので、離婚すると姿が見えないことですぐに気付かれてしまうからです。
農業を営む家庭では、夫婦や両親・親族が一緒に仕事をする時間が多いことで、気を使ったりして関係が悪化しやすい傾向もあります。
30歳代の離婚が多いのも、結婚前に想像していた生活と現実との差に耐え切れなくなる時期や自身の人生をやり直す限界の年齢による結果でしょう。
農家の嫁を離婚したくなる原因
農家の嫁として耐え切れなくなり離婚を考える要因はいくつかあります。
特に自分自身が農家の出身でなければ農家独特の習慣や人間関係の保ち方の違いに慣れるまで、相当のストレスが溜まることでしょう。
- 農家の嫁としてのプレッシャーとストレス
- 経済的な問題が引き起こすトラブル
- 人間関係の難しさと孤立感
主なストレスとなる上記の3点について解説します。
農家の嫁としてのプレッシャーとストレス
農家の嫁としてのプレッシャーは多岐にわたります。
特にサラリーマン家庭で育った人にとっては、農家の一日の流れや習慣には驚きがあるかもしれません。
プレッシャーとストレスのおもな要因は以下の通りです。
- 長時間労働
- 農家や嫁ぎ先の家の習慣
- 家事と農作業の両立
それぞれ、実際に農家で暮らしてみないと分からない事だと思います。
長時間労働
農家は1年を通して同じ時間の勤務ではありません。
収穫期には朝の薄暗い時間から昼までに収穫をしないといけないこともあり、収穫後はすぐに農協や市場などへ納品に行かなければなりません。
収穫期には収穫物が日々実るので、毎日収穫をしなければならなくなり土日祝関係なく働くこともあります。
農家や嫁ぎ先の家の習慣
例えば水田の場合は、用水路の掃除や池の水の確認、湛水の日など近所の農家さんとの協力が必要です。
また古くからの地域に伝わる暦による習慣やご祈祷などもあります。
縁起物は代々伝わっていることが多いので簡単にやめることもできません。
慣れるまでは儀式的な行動に違和感を感じるかもしれませんが、家族や近所の人に合わせる必要があります。
家事と農作業の両立
農作業は収穫期によって非常に忙しくなり、休みが少ない時期があるでしょう。
特に収穫期には早朝から深夜まで働くことも珍しくありません。
大雨で畑作業ができない日でも、納屋やビニールハウスでの作業をすることもあります。
しかし農家も炊事・洗濯・掃除・買い出しは必要です。
サラリーマンと違って残業申請などもなく、そもそもタイムカードなどもありません。
閑散期には次の農作物の準備などで特にあわてない時もあり、そんな時は朝からのんびりできる日もあります。
1年を通して繁忙期と閑散期の生活のリズムに合わせる必要があるので慣れるまでに数年かかる人もいるかもしれません。
経済的な問題が引き起こすトラブル
農業は天候や市場価格の変動に大きく左右されるため、経済的な安定が難しい職業です。
サラリーマンのように毎月一定の収入やボーナスといった収入の仕方ではありません。
収入と支出を1年単位で考えることが重要です。
不安定な収入による経済的な問題が離婚の原因になることもあります。
- 農作物の出来不出来により収入が大きく変動するため、安定した生活が難しい
- 非収穫期は収入がない月もある
- 農業機械の購入や修理、農薬や肥料の費用など、予想外の出費が発生しやすい
サラリーマンとは違い、むしろ会社経営者の金銭感覚に近いかもしれません。
1年間で何度かの収入期があり、そこでの収入を1年を通じて計画的に使う必要があります。
特に不作に終わった翌年は経済的に厳しい年になるでしょう。
人間関係の複雑さと孤立感
農家では、地域社会や家族との関係においてもさまざまなプレッシャーを感じることが多いです。
また同じ地域の農家と用水路の確保や掃除、池の水の確保を共同で行う必要もあるでしょう。
そのための会合もあり、出席しないと気まずくなるほか、実際に野良作業にも影響してくるのです。
例えば水田への湛水の順や、農薬散布など勝手にすることは問題になります。
地域の農家と市町村役場との会合もあり、誰かがそのような委員になって事務作業をこなす必要もあるでしょう。
また会合自体もサラリーマンの会議とは違って、各地域独特の進め方や考え方があるのでストレスを感じたり、自分だけ意味が分からずに孤立感を感じたりするかもしれません。
農家というだけで作業内容だけでなく1年を通しての流れや、決まり事・習慣・人付き合いなどで今までの生活と一変することがあり、それが大きなストレスになりやすいです。
農家の嫁を離婚した経験談
実際に農家の嫁としての生活を経て離婚した女性たちの経験談を紹介します。
これらの話は、同じような境遇にある人々にとって貴重なアドバイスや励ましとなるでしょう。
農家に嫁いで12年のAさん。高校の同級生だった旦那と家族に気に入られ結婚。
しかし農作業とともに家族全員と旦那の兄の分の朝昼晩の食事の準備をし、みんなが食事中にAさんは洗濯物を取り込んでたたみ、夕食時も風呂の用意とみんなの分の洗濯をする。
昼食後はみんなは休憩するがAさんは洗濯物をたたんでから食事と洗い物をしたらもう休憩時間は終わりで昼からの作業開始。
夕食前もみんなは休憩しているがAさんは料理、食後はAさんは近くのスーパーへ買い出しに行き、朝起きてからずっと動きっぱなし。
Aさんの旦那や両親は特に手伝ってくれそうにもないので、旦那に相談したが、助けてくれそうになかった。
このような状況で「早く子供を作れ」と言われ、とてもじゃないができそうにないので離婚をした。
離婚までに日記をつけたり、スマホで動画を撮影していたことを証拠に、家族内の虐待として離婚裁判を起こし離婚した。
農家の場合、収入は基本的に収穫期のみになるので、その時期に1年分の予算を決めて必要分を残しておく必要がある。
しかし旦那は無計画に浪費する癖があり、確定申告時には次の収入まで不足することが計算できるので説明するが、聞いてもらえない。
また地元の祭事に寄付することも多く、家計は楽ではなかった。
義母にも相談して閑散期はパートに行くことになったが、繁忙期は農作業を優先するように
家族から言われたため、パートの仕事は解雇された。
不作になる年もあるので貯蓄をしておいたが、そのお金にも手を付けはじめる始末。
また畑を勝手に売ろうとしていたことがわかり、そうすれば農家としての収入がさらに減ると言ったが「うちの財産のことまでお前が口出しするな」と言われて夫婦間の関係が完全に悪化した。
せめて畑を売ったお金で投資などをして貯蓄をしようと提案しても賛成しないので離婚した。
農機具も古いので買い替える必要があったが、近所の方から農機具を借りてばかりで申し訳ない気持ちがあった。
しかし農家では当たり前なのか分らないがBさんには耐え難かったそうです。
農家での体験談は中々聞く機会がないので貴重な話といえます。
農家の嫁が離婚を決意する前に知っておくべき準備事項
離婚を決意する前に、離婚に必要な知識など知っておくべき準備事項をしっかりと確認しましょう。
特に裁判離婚になる場合は、その争点となる証拠をしっかりと準備しておく必要があります。
夫婦間での話し合いによる協議離婚が成立できればよいのですが、なるべく円満に離婚をすることが望ましいので、自身の両親や弁護士への相談は大事です。
特に知っておくべきことは以下のようなことがあります。
- 離婚の法的手続き
- 財産分与と親権
- 新しい生活の準備
農家としての仕事が多い中で、これらを調べたり残したりするのは非常に労力が必要となるので弁護士や両親への依頼も考慮しましょう。
離婚の法的手続き
離婚を進めるためには、まず法的手続きを理解しておくことが必要です。
自分の立場や夫婦間の感情などによってどの離婚方法を選択するのか、何が必要になるのかを知っておき準備しましょう。
- 協議離婚、調停離婚、裁判離婚の違いを知り、自分に適した方法を選ぶ
- 離婚届や財産分与に関する共有資産などを調べておく
離婚は結婚よりも手続きが複雑になるのでよく理解しておきましょう。
財産分与と親権と慰謝料
離婚をする上で、重要なポイントがいくつかあります。
主に以下の3点が争点になるでしょう。
- 財産分与
- 親権と養育費
- 慰謝料
どれも自分のために、子どものために妥協しないで話をしましょう。
財産分与
夫婦共有の財産をどのように分けるかが重要。
通常は夫婦の共有財産を半分ずつに分けますが、農家の場合は農地があります。
農業委員会の条件を満たした場合のみ許可されます。
そのため農地や農地の価値を財産分与でもらうことは難しいでしょう。
親権と養育費
子どもがいる場合はどちらが親権を持つか、養育費の支払い期日、支払い方法などを慎重に決める必要があります。
また面会日などもお互いが守らなければなりません。
慰謝料
結婚時に想定できなかった生活条件の違いによって慰謝料を請求することもできます。
上記の内容はどのような離婚の方法においても、離婚協議書や公正証書に残しておく必要がありますので、弁護士や司法書士の指示のもと作成することが重要です。
新しい生活の準備
離婚することだけでなく離婚後の新しい生活に向けても準備しておきましょう。
- 再就職
- 引っ越し
農家の嫁として離婚するので、ほとんどの場合は自身が家を出る形になります。
実家でしばらくゆっくり過ごせる場合は良いのですが、そうでない場合は住む部屋と収入源となる新たな就職先が必要です。
再就職
経済的に自立するために、新しい仕事を見つける必要があります。
収入が足りないことが予測される場合は、市区町村役場に相談して母子家庭のサポートを中心に必要なサポートを受けることが大事です。
引っ越し
新たな就職先が決まったら、通いやすい地域への引っ越しの準備を進めます。
離婚時に手放す可能性のある家具や台所用品などを買い揃えることも考慮しておきましょう。
慌てて引っ越し先を決めて、新たな就職先が遠くなるような事のないように注意が必要です。
農家の嫁が離婚後に直面する可能性のある課題と対策
農村での離婚後には新たな課題があります。
農家たちはさまざまな形で協力関係を築いているので、離婚したこともすぐに近所に知れ渡る可能性は高いです。
そのため同じ町に住んでいると肩身の狭い思いをすることになります。
引っ越しをしてもしばらくはさまざまな問題に直面する可能性があるでしょう。
- 精神的なサポートと心のケア
- 子供の養育と親権問題
- 社会的サポートと新しいコミュニティの構築
農家での生活が嫌で離婚して引っ越しをするのですから、新しい環境では自分にとって住みやすい環境にする必要があります。
これらの課題に対処するための対策を考えておきましょう。
精神的なサポートと心のケア
離婚は精神的にも大きなダメージを受けることが多いです。
ダメージをそのままにしておくのは将来的にうつなどになりやすい傾向にあります。
また同じ体験をしている人たちと直接話す、またはインターネットなどでのコミュニティに参加することで仲間が増えるでしょう。
同じ経験をした人にはすべて話すことも恥ずかしく思わなくて済みますし、自身の話を聞いてもらうだけ、または仲間の話を聞くだけで勇気が湧いてきます。
子供の養育と親権問題
子供がいる場合、養育と親権問題は非常に重要です。
特に地方で生まれ育った子どもが離婚とともに都市部に引っ越しをした場合、習慣の差や言葉のなまりで悩むことがあるかもしれません。
子どもが早く友達を作ったりするために、引っ越し先の街や行事に慣れさせてあげることが重要です。
親権を持つ親としては、元夫に定期的な面会が必要な場合もあります。
遠くに引っ越した場合は、送迎が必要になりますし、子どもの意向でどちらか一方の親には会いたくないという意思が出るかもしれません。
子どもの将来と成長をよく考えると同時に子どもの気持ちを理解する必要があります。
社会的サポートと新しいコミュニティの構築
離婚後の社会的なサポートも重要です。
結婚していた時は近隣の方からさまざまなサポートを受けたと思いますが、離婚するとその地域から離れることが多く、今までのようなサポートはなくなるでしょう。
しかし人間は一人で生きていくのは苦労すると思います。
引っ越した先で自発的に近隣の方に話しかけることや、インターネットで地域の行事などを調べて参加するなどの積極的なコミュニケーションを取りましょう。
離婚して農家の嫁を卒業したあとの再出発
結婚した時には数年後の離婚は計画になかったと思います。
離婚した後の新しい人生はこれから計画を作らねばなりません。
- 新しいキャリアの探求と自己成長
- 学び直しとスキルアップ
- サポートグループやネットワークへの参加
- 離婚の決断をサポートするアドバイス
自分は今後誰かと再婚するのか、どのような社会人生活を送るのか、子どもをどのように自立させるのか、自身の老後はどうするのかなど大まかな計画を描いておきましょう。
新しいキャリアの探求と自己成長
離婚を機に新しいキャリアを探求し、自己成長を図ることが大切です。
改めて社会人として生きていくうえで、しばらくの間のブランクがありました。
また農家を経験したことで得た知識を持って起業することも可能です。
自分にしかできない仕事を作ることも明るく生きていく活力になります。
学び直しとスキルアップ
再出発に向けて、学び直しやスキルアップも重要です。
トラックやフォークリフトの運転、パソコンの操作などやってみたい仕事に関する職業訓練を受けることで仕事の習得が早くなるでしょう。
また会社員として働きながら次のステップのためのオンライン講座などを受講して、新しい知識を習得することも選択肢の一つです。
新しいスキルや知識を身につけることで、離婚の辛さからも解放されるでしょう。
サポートグループやネットワークへの参加
新たに移り住んだ地域にはすぐには溶け込みにくいかもしれません。
新しい場所ではその土地の習慣や行事もありますし、子どもの学校のことで相談できる相手も必要です。
地元のコミュニティ新聞や地域の行政サービスを活用し、良い人間関係を築きましょう。
また行政サービスでは母子生活のサポートを受けることもできます。
離婚の決断をサポートするアドバイス
離婚の決断をするためには1人で決めるのはよくありません。
どうすることが正しいのか、何か忘れていないかなどあとで後悔する事になりやすいからです。
離婚を決意した瞬間からどうするべきなのか、基本的なアドバイスをいくつか紹介します。
- 信頼できる友人や家族、弁護士などの専門家に相談し、自分の気持ちと考えを話しましょう。
- 自分自身と子どもの幸福を最優先に考え、無理をしないことが大切です。
- 一時的な不満なのか、将来的に転換期が今なのかを相談したうえで、冷静に計画を立てて進めることが成功の鍵となります。
あわてて離婚をして数年後に離婚しなければよかったと思わないように、冷静に判断しましょう。
そしてあなたを大事にしてくれる人に相談して考えましょう。
まとめ
農家の嫁としての生活は、他の職業にはない特有のプレッシャーやストレスが多くあります。
農家独特の労働時間や1年間の仕事の流れや収入のタイミング。
また個人経営でありながら近隣の農家との協力関係や仕事以外の習慣、祭事などへの参加。
違う地域、違う環境で育った自分だけが異質に感じる孤独感もあるでしょう。
どうしても慣れない、このままの将来が想像できないと思い込んで離婚をするとなった場合は、冷静な判断が必要です。
また農村の場合は財産分与などで一般的な離婚とは違う面もあるのもポイントです。
離婚後の生活はこれまでの農家とはまた違った生活になるでしょう。
一からやり直すつもりで準備が必要です。
離婚を考える前にしっかりと準備をし、適切なサポートを受けましょう。
また、離婚後の新しい人生をどのように再出発させるかについても、具体的な計画を立てることが必要です。
自分自身の幸福を最優先に考え、前向きに進んでいきましょう。