寺社参拝のマナーや礼儀って何?守るべき参拝マナーと対処法

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寺社参拝の基本的なマナー

寺社への参拝は祈祷や年中行事だけでなく、パワースポット巡りや御朱印集め、SNSの投稿する写真撮影などで参拝者が多くなっています。

しかし楽しい観光でお越しになる方がいる一方で、ご祈祷や悩み事・弔いのために来られている方もいるでしょう。

また寺社は神職や僧侶、または氏子や檀家にとっては神聖な場所でもあります。

近年は騒いだり、自分勝手な撮影をしたりする迷惑行為も増えており、古くから守られてきた伝統や景観が損なわれる事態に発展している事案も多いです。

本記事では神社や各宗派のお寺での個々のルールではなく、一般的なマナーについて解説します。
最後までご覧になり、参考にしていただけると幸いです。

参拝前の心得

参拝に行く前にまず、服装や持ち物、年中行事の有無などを確認しておきましょう。

服装は落ち着いた服装

神社やお寺にお参りに行く時の服装に注意したことはありますでしょうか。
神社やお寺はとても神聖な場所として、神職や僧侶たちによって護られています。

男女ともになるべくスーツが望ましいです。特に男性はネクタイもしておいた方が良いでしょう。
特に自身がご祈祷やお詣りで訪れるのであれば、それは神仏に対してお願いに来ているからです。

観光で訪れる場合もなるべく露出の少ない服装で、色も派手な色は控えた方がいいでしょう。
時折、海外からの観光客が短パン、ノースリーブ、サンダル、サングラスといったカジュアルな服装で来られていますが、日本人が率先して正装で行くことで日本の文化として海外に発信することが大事です。
だからといって、カジュアルな服装で行ってはいけないわけではありません。
外国の方に注意する必要もありませんし、観光などで急に行くことになった場合などはやむを得ないと思います。

持ち物の確認

神社やお寺の行事に観光として訪れる場合に気を付けたいのが、カメラです。

特に望遠レンズなどを装着したままでぶら下げている場合や、カメラやレンズケース、脚立などは他の参拝客に当たったり壊れたりするケースがあります。

記念に写真に収めておきたい、多くの人が来るから離れた場所からでも撮影できるように望遠レンズを持っていこう、といった計画は理解できます。
しかし自分以外の人への配慮などを重んじる神聖な場所ですから、揉める原因にならないような配慮が必要です。

訪問する日や時間の確認

自身の祈祷などで行く場合は事前に受付時間の確認をしたり、予約をしたりすると思いますが、観光やふとした思い付きで参拝される場合は、参拝先の行事で混雑している場合もあります。

また門限のある寺社もありますので、閉門時間頃に行く場合は速やかに参拝を済ませましょう。

過去にある神社の閉門時間に訪れた参拝客が、入れないことに激昂し、「こっちは参拝客だぞ!お客様は神様だろうが!」と叫んでおられる方がいました。
これは迷惑故意であり、特別に許すと悪しき前例になることも考えて拒否されるでしょう。
また、この時の神職の方はユーモアのある方で、「私どもの神様のお決めごとです」と返していました。

神聖な場所だからこそ静かに、ケンカにならないようにお話しされていましたが、どこにでもルールはありますので事前の行事や時間の確認が必要です。

鳥居や山門の入り方と参道の歩き方のマナー

神社では鳥居があります。
大きな寺では山門があります。

神社では鳥居から先、お寺では山門やお堂の前の石段などから先は神聖な場所ですから礼儀を正して入りましょう。

神社の場合は、鳥居から本殿までの道の中央部分は「正中」と呼ばれ、神様が歩く道とされています。
参拝客が歩くのは正中を避けて左右どちらかの端を歩いて入りましょう。
まず鳥居の前の左右どちらかの端で立ち止まり、一礼をして入ります。
もし鳥居の右端からくぐる場合は右足から、左端からくぐる場合は左足から踏み入れるのが良いとされています。
またこの時に体調の問題などがない限り、帽子は境内にいる間は脱帽しておきましょう。

お寺の山門をくぐる場合も同様に挨拶があります。
小さなお堂で山門がない場合は、境内に入る前やお堂に上がる階段の前で結構です。

山門では音を鳴らさないように静かに合掌をして一礼します。
また山門をくぐる時に下に敷いてある敷居を踏まずに入りましょう。
男性は左足から、女性は右足からといった慣習もあります。

お寺の場合も境内ではお遍路さんなどの菅笠などもなるべく脱帽しましょう。
混雑時には他の参拝者の顔に当たったりするので注意が必要です。
宗派によって多少の違いはありますから、お参りに行くお寺の宗派について調べておく方が良いでしょう。

手水舎での清め方

境内に入ったら拝殿や本堂に行くまでに手水舎があります。
神社・お寺ともに作法は同じです。

  1. 柄杓に水をすくい、左手を清めます
  2. 次に柄杓を持ち換えて右手を清めます
  3. 再び柄杓を持ち換えて、左手で柄杓の水を受けて口をすすぎます
  4. もう一度左手を清めます
  5. 最後に柄杓を縦にして持ち、手部分を残りの水で清めます
  6. 柄杓を下向きにして元に戻します

これらの動作を柄杓一杯の水で行います。
柄杓を直接口に付けないようにしましょう。

近年ではCOVID-19の影響で、柄杓がない場合や代用としてアルコールスプレーが設定されていることがあります。
柄杓がない場合は柄杓なしで行うといいでしょう。
またアルコールの場合は近代医学的な消毒方法で結構です。

正しい参拝方法

参拝に来られたという善い行いをしているので、故意に誤った作法などはしてはいけません。
しかし詳しく知らずに間違った参拝をしても神仏は怒らないでしょう。

できる事なら正しい作法での参拝方法を知っておきましょう。

神社参拝手順

神社の場合、基本的には「二礼二拍手一礼」ですが、出雲大社に見られるように違うこともあります。
特に違う場合は拝殿などを見ると書いていると思いますので、その手順に沿って行ってください。

  1. まず拝殿の前に立ち、お賽銭を入れます。
    お賽銭は投げ入れたり、放り捨てるような入れ方ではなく、賽銭箱に静かに入れましょう。
    ※ 遠くから投げて屋根に乗れば願いが叶うとか、強く投げ込んで跳ね返らずにはいれば願いが叶うなどの俗説がありますが、これは間違っています。
    神様側に視線で考えてみましょう。お金を投げつけてくる人が善人に見えるでしょうか?
  2. お賽銭を入れたあと、鈴などがあれば2回ほど鳴らします
  3. 背筋を伸ばして腰から45度以上の姿勢でお辞儀を2回します
  4. 胸の前あたりで手を合わせて右手をやや下にずらした状態で2回手をたたきます
    ※ここは大きな音が出ても結構です
  5. 手を合わせ直して一礼します
  6. 自身のお願い事をいうよりも、今日までの見守っていただいたことを先にお礼しましょう。
    ※簡単な祝詞がかかれている場合や大幣が置かれている場合は書かれた手順に従って行いましょう
  7. 最後に一般的な意味でのあいさつとして一礼します

混雑している時になるべく中央付近から参拝しようとする人が多いですが、先に述べた通り中央は神様の通る道ですので、混雑時は端から参拝される方がいいかもしれません。

お寺での参拝手順

お寺の参拝はまずご本尊様のおられる本堂に向かいます。
お遍路さんなどの場合はここで金剛杖や菅笠は横に置いておきましょう。

  1. はじめにろうそくに火をつけて燭台へ納めます
    ※燭台に置く時は次に置く人がやけどをしないように、なるべく上段から置いていきましょう
  2. 次にお線香をあげます
  3. 賽銭箱にお賽銭を入れます 神社の時と同じく静かに滑り込ませるように入れましょう
  4. 鈴や鐘がある時は静かに2回鳴らします
  5. 合掌 ※神社での2拍手とは違い音は鳴らさずにそっと手を合わせます
  6. 本堂にご本尊様とご真言が書かれている場合は、合掌したままで静かに3回唱えましょう
  7. 日頃の感謝とお願い事をして一礼します

お袈裟や数珠を持っている人は身に着けて礼拝するとよいでしょう。

参拝で気をつけなければいけないマナーとその対処

せっかく参拝に来たのに他の参拝客が騒々しくて困ったという経験はないでしょうか。
参拝に来ている人やその理由はバラバラです。
だからこそ他の人への配慮が必要です。

知らぬ間に他の参拝者に迷惑をかけてしまっているかも知れませんので注意しましょう。

他の参拝者への配慮

年始や連休、お彼岸、お盆などで混雑している時は参拝客は自分だけではありません。
他の参拝者もいますのでお互いに気持ちのいい参拝ができる事が、神仏にとっても神職や僧侶にとっても一番に願っている事です。

どんなことで他の人に迷惑をかけてしまっているのかを理解し注意しましょう。

カメラやビデオの撮影機材

寺社仏閣には参拝以外に観光で来られる方も多くいます。
観光で来るので記念の写真は残しておきたいですね。
行事や観光シーズンには混雑することが多いですが、カメラに関する問題は意外と多いようです。

「カメラの長いレンズが当たって痛い」「機材を入れている感じの大きな箱がジャマ」という意見があります。
一方でカメラを持っている人の意見では、「レンズが当たって落ちて壊れた」などと言う意見もあります。

お互いに注意すべきですが、混雑時にはなるべく持ち物を少なくする方がいいようです。

拝殿や本堂などでの礼拝時間

お詣りにくる人はそれぞれにお願い事があると思います。
しかしあまりに長いと混雑時には少し迷惑になるかもしれません。
こういった場合は端の方で行うなどして他の人への配慮が必要です。

お遍路さんでよくある問題が勤行です。
お遍路さんは各お寺の本堂、大師堂を礼拝して次のお寺に行きますが、よくあるのが次のお寺でも同じ人と遭遇することです。
同じルート、同じペースで進んでいるので仕方がないでしょうが、ここで良く起きる問題が、読経です。

ほぼ同じ時間とはいえ少しの時間差があります。
各お寺で、参拝者がお経や真言の書いた勤行書を見ていますが、大きな声でお経をあげたりすると、先に来てお経を読んでいる人にとっては迷惑になることもあります。
その時の読んでいる箇所が違うからです。

他の人がいる時は、声を小さくするなり、他の人がいなくなってからするなりの気配りが必要と思います。

混雑時の並び方

拝殿、本堂へのお詣りに列をなすことが混雑時には多いですが、ここでの周りの人の気分を害する行為は「横入り」です。
混雑時で自然とイライラしている中で、列がキレイになっていないことをいいことに横入りされるといい気分ではないと思います。
特に初詣などはいい気分でお詣りしたいですよね。

場所も神仏のおられる場所ですから、ずるい行為は見られていると思ってお互いにやめるのがマナーです。

その他

神聖な場所ですから、泥酔した状態で来るのはやめましょう。

ゴミをその場に捨てる、壁や柱に落書きをするといった行為は「礼拝所不敬罪」「建造物損壊罪」「文化財保護法違反」などの刑事罰で検挙されます。

写真撮影のルール

有名な寺社仏閣は写真に収めておきたいですよね。

しかし神仏に関係する秘宝や仏像、儀式・祈祷などは撮影禁止になっていることが多いです。
また撮影禁止エリアと指定されている箇所もあります。

近年はスマートフォンの普及により撮影が簡単にできてしまうことや、スマホの扱いが日常的になりすぎてついつい撮影している人も見られますが、悪しき前例となりますので絶対にやめましょう。

また写真を撮る時にストロボを使うと眩しさで迷惑になる場合もあります。
さらに混雑時に自分たちだけでの記念撮影は行列の妨げになるので、立ち止まったり振り返ったりしての撮影も周囲への配慮が必要です。

 静けさを守るマナー

境内では静けさが雰囲気や幻想さをより一層引き立てます。
初詣などの楽しい行事の時とは言え、周囲からひと際目立つような騒ぎ方は控えるべきです。

参拝客は自分たちと同じ感覚で騒ぎたいと思っている人ばかりではないでしょう。
また寺社仏閣にいることはあまりないと思いますので、境内にいる間だけでも厳かな雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。

参拝後の心得

一通りの参拝を終えたあとには、速やかに次の参拝者に場所を開けてあげましょう。
神社でもお寺でも拝殿や本堂以外にも多くの祠やお堂があります。

お寺の中に神社が鎮座しているところもあります。
テーマパークのアトラクションを次々に行くように、境内の他の祠やお堂にもお詣りしましょう。

 お守り・お札の購入と返納

神社やお寺にお詣りに行くと、お詣りの次によく行うのが、御朱印・お札・お守り・おみくじです。

ここでも社務所・納経所で他の参拝者に迷惑を掛けないように並ぶ必要があります。

御朱印・お札・お守りは買うという感覚ではなく授かるものですから雑に鞄やポケットにしまうことなく、きちんとした状態を保てる鞄などに入れて持って帰りましょう。

おみくじは楽しみの一つですが、はしゃぎすぎて他の参拝客にぶつかったりする事のないように注意が必要です。
特に「凶」を引いてしまった人の前で「大吉ー!」とかいうのも…やめときましょう。

ご祈祷の依頼と注意点

参拝以外にも特別にお祓いやご祈祷を依頼することもできます。

このような特別なお祓いやご祈祷では普段は入れない、本殿の中や護摩壇などに入ることもあります。
このような場所は特に神聖な場所ですので、写真撮影はもちろんの事、騒いだり指示を守らないのはむしろ罰当たりのような行為ですので特に注意が必要です。

参拝後の過ごし方

参拝後は神社の場合は参道の真ん中(正中)を避けて歩き鳥居まで行きます。

鳥居又は山門の外に一歩出たところで振り返り、神社の場合はお辞儀、お寺の場合は合掌をして一礼します。
帰る時の一礼は参拝できた事への感謝の気持ちを伝えましょう。

まとめ

神社やお寺に参拝されるときは、人がいがみ合うことが一番のマナー違反だと思います。
寺社に対する   自分以外の人、神社や寺院、神様・仏様への配慮が必要です。配慮とは宗教的な考え方ではなく、人としてお互いに気持ちよく過ごせるための譲り合いの精神です。

 

 

寺社仏閣にお詣りに来られる方、観光に来られる方がともに気持ちよく来て、気持よく帰られるために周りの気遣いのできるきれいな心が必要でしょう。

そのきれいな心を神仏は見ているのです。
気持ちのいいお詣りに行きましょう。

 

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