パソコンやスマホの普及でインターネットの利用が日常化する中、注意しなければならないのはウイルスの感染と情報漏洩、そして詐欺です。
デジタル時代における詐欺の脅威はメールやSNS、サイトなどさまざまな所にワナがあります。
こんな時に安心できるセキュリティソフトが「詐欺ウォール」です。
詐欺ウォールとはパソコン内の情報盗難被害や金銭被害対策に特化したセキュリティソフトです。
ネット上で見られる詐欺被害
インターネットのサイトの普及とともに詐欺の種類も増えています。詐欺は自然に発生しません。悪意のある人間が故意に起こしています。そしてあなたがPCをいつも通り使っている裏で勝手に金銭の支払いや情報漏洩などが行われるのです。有名なネット詐欺として以下のようなものがあります。
ワンクリック詐欺
ワンクリック詐欺は怪しいサイトへ誘導されることが多いです。例えばSNSで気になったサイトへ行ったり、メールで勧誘されたりします。誘導されたサイトで動画を閲覧したり、ダウンロードをすると詐欺被害の始まりです。
ダウンロード完了後に料金の請求画面が出たり、メールで料金の請求が来たりします。金額は10万円程度の支払えなくない程度の金額が多いです。成人サイトなどの場合、家族や会社に知られるとマズいので支払って済ませようとする心理を使ってきます。
この場合、いったん冷静になって支払わないようにしましょう。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺は突然メールを送り付けられて始まります。送信元は実在する企業名を使うことがあるので、例えば銀行や携帯電話会社などからだと信用してしまうのです。メールの文面は「エラーが出た」「支払いが滞っている」など被害者を心配させるような内容が多いです。
次に手続きが必要などといってログインするように導かれます。ここで個人情報となる口座番号やパスワードなどの入力を促されるのです。多くの人が相手を信用しきっているので、そのまま全て入力してしまいます。
その後、別の会社から身に覚えのない契約や購入の請求書が届いたり、自身の口座から知らない口座へ送金していたりします。この時にやっと詐欺だと気付くのです。
支払いの請求は一旦無視して警察に相談に行きましょう。すでに口座から残高が引かれてしまっている場合は、銀行または警察に連絡しましょう。
偽販売詐欺
一般的なネットショッピングのサイトと同じです。購入して支払いを済ませても、購入した品物が届かない。あるいは明らかに低品質な物や偽物を送られる。このようにしてお金を騙し取られます。
また、金額の表記が日本円なのか中国の人民元なのかで騙されることもあります。両方とも頭に「¥」を付けますが、日本人はこれを日本円だと思い込んでしまう傾向が強いです。実は中国の人民元も「¥」を使います。¥10,000の場合、もし人民元での表示だとしたら、日本円でおよそ20万円になります。
騙されたと気付いてサイトに表示された電話番号にかけるとつながらない、ということも多いです。偽販売詐欺の場合は、購入したと証明できる画面のスクショ、書類、送りつけられた偽物商品を保管した状態で、警察または消費者ホットライン・消費者相談センターへ相談の電話をしましょう。カードでの購入の場合は、カード会社にもすぐに連絡を入れる必要があります。
特にワンクリック詐欺などは無警戒にクリックしただけで被害に遭うことがあります。
こういったサイトが勝手に表示されたときに、うかつに押してしまうことが多いのです。
怪しいサイトは表示されないようにしてほしいですよね。
そんな時に安心なのが「詐欺ウォール」!
では「詐欺ウォール」とはどんなものなのかを具体的に見ていきましょう。」
詐欺ウォールを活用したネット詐欺対策
詐欺と知っていたらはじめから無視していたと思います。しかし分からなかったから詐欺に引っかかってしまうのです。もし詐欺ウォールを設定していたら、あなたが詐欺サイトに気付いていなくても詐欺ウォールがあなたに警告で知らせてくれます。
フィッシング詐欺やワンクリック詐欺への対応策
フィッシング詐欺の場合、URLを開いた時点で画面に「警告」が出たら気付けると思います。ワンクリック詐欺の場合もSNSなどから開いたときに「警告」が出たら、それ以上は押さないで画面を削除して対応しましょう。
「詐欺ウォール」は、怪しいサイトやブラウザを開いたときに画面に大きな警告表示と警告音が出ます。ここで詐欺と気付くことで被害を防ぐのです。
ウイルス対策としての効果を検証
実際に「詐欺ウォール」を設定して、いくつかの怪しいサイトを開けてみました。(非常に危険ですのでマネしないでください)
警告が出たサイトはやはり日本語が変だったり、サイトの運営者が不明確でした。逆に警告の出なかったサイトは、サイトの運営者の名前、企業名、住所、電話番号が表示されていました。ただしパソコンに感染したウイルスの除去まではできないそうなので、通常のウイルス対策ソフトとの併用が効果的です。
詐欺ウォールが提供するセキュリティ機能の洗い出し
詐欺ウォールはどのようにして詐欺サイトを見抜くのか。その機能は主に3つあります。
- AI検知:AIを活用し詐欺サイトを検知
- ブラックリスト検知:公的機関から得た情報リストとの照合検知
- ヒューリスティック検知:サイトの構造や特徴を解析して検知
インターネットが普及してから、同時にネット上の詐欺も増えましたが、その被害が情報となって活きています。これまでの詐欺の特徴とこれから先の詐欺の変化を過去の情報とAIを使って検知するのです。
詐欺ウォールを利用する時の注意点
詐欺ウォールを利用することがはじめての人にとっては、この「詐欺ウォール」自体も怪しく感じることでしょう。詐欺ウォールの設定はパソコンの場合、アプリとしてすでに組み込まれていますので起動します。有料版と無料体験版がありますので、無料体験版で試してみましょう。
無料期間が終わっても更新手続きをしない限りは、有料版になって料金を請求されることはありません。有料版は月額220円~で利用できます。
詐欺ウォールの設定方法と注意点
スタート画面から「アプリ」を選択します。表示された一覧の中から「詐欺ウォール」を探します。「無料版」をクリックし、後はガイダンスに従ってダウンロード、インストールするだけです。画面右上付近に青地に白抜きの文字で「Chromeに追加」と表示されたボタンをクリックする。あとはガイダンスに従って進めるだけです。
設定時間はおよそ5分程度。設定後に設定ができているのかのチェックができるので、クリックしてみましょう。不気味な警告表示と警告音が出たら設定完了です。
「詐欺ウォール」自体が不安なので消したい、使わないので消したいとなった時に削除の仕方が分らないと、不安が増えてしまいますね。設定前に削除方法も調べておきましょう。
消す方法を確認して安全に利用しよう
設定時と同じく削除方法も簡単に行えます。ただし、アプリのインストールと「ブラウザの拡張」のアンインストールが必要です。それぞれ順に確認しておきましょう。
アプリの削除
スタート画面から「アプリ」>「インストールされているアプリ」を開けます。表示されたアプリの中から「詐欺ウォール」を探してください。右端にある「•••」をクリック
「アンインストール」が表示されるのでクリックすると「このアプリとその関連情報がアンインストールされます。」と表示されます。
「アンインストール」ボタンをクリックし、しばらく待って完了です。再起動の指示が出た場合は、パソコンを再起動します。
拡張機能の削除
「Microsoft Edge」、「Googlechrome」など使用しているブラウザを起動します。
画面右上付近にあるジグソーパズルのようなマークをクリック。
「拡張機能」の表示の中から「詐欺ウォール」をクリックする。
「削除しますか?」の表示が出たら削除をクリックして完了です。
設定したけどやっぱりいらないか…ということはよくあります。削除して元の状態に戻れることが分かれば安心です。
評価と口コミ
詐欺ウォールの評価については賛否両論あります。良いか悪いかは使う人によって差があるようです。今まで使った事のないアプリをダウンロードやインストールするときには、不安は付き物です。安心して使いたいと思ってインストールしたアプリが全然効果がなかったり削除の仕方が複雑で分かりにくかったりしては、逆に不安になってしまいます。ぜひ参考にしてください。
デメリット
詐欺ウォールはまだ完ぺきではありません。日常でパソコンやスマホの使用頻度や使用する目的によっては、わずらわしく感じる部分が残っています。
主なデメリットは以下の4件です。
- ネット詐欺に対する機能しかない
- ウイルス除去機能はない
- 自動的に遮断してくれる機能はない
- ブラックリストに登録されるまでの間は検知できない
まだ未完全なのでウイルス除去や悪意のある接続の遮断といったところまでは機能がありません。しかし今後も改善されてもっと効果的にアップデートされるでしょう。現状の詐欺ウォールの無料期間だけでも試してみるとよいのではないでしょうか。
メリット
詐欺ウォールはこれまでのウイルス感染防止ではなく、詐欺サイトを見分けてくれる機能があります。まるで専門家が「そのサイトは危険だよ」と教えてくれるような感じです。主なメリットを洗い出しました。
- ネット詐欺に特化したアプリ
- 警察も含めた情報(ブラックリスト)で詐欺サイトを検知
- AIを使ったセキュリティアプリ
- 設定後は自動検知
詐欺グループは常に形を変えてサイトを作ります。専門的な人であればすぐに怪しいと感じることができるかもしれません。しかし日頃からネットやサイトに詳しい情報がなければ見抜くことは難しいでしょう。
詐欺ウォールは過去のデータから詐欺を見抜くほか、AIによって詐欺犯の傾向やパターンを分析して、怪しいと感じるサイトにも警告を発してくれます。詐欺サイトと知らずに入ってしまった場合でも、警告してくれるので安心です。詐欺被害に遭ったあとで、なぜ早く気付かなかったのだろうと後悔をせずにすみます。
良くない口コミ
日常的にインターネットのサイトを多く利用する人やパソコンなどを使い慣れている人にとっては、わずらわしく感じる面もあるようです。
あまり良い印象ではない口コミを3件紹介します。
”試しにTwitter上にあったAm○zonの偽サイトにアクセスしてみたが、最新すぎたのか、検知されず。と、いうか定義ファイルのアップデート遅すぎる。どんぐらいのペースでアップデートしているのやら。警告音も何もない時にいきなり出ることもあるから、切ったほうが良い。”
chromewebstoreより引用
chromewebstoreより引用
めっちゃくそ遅いですネットページ開くのがとにかく遅いのでおすすめはしないです。chromewebstoreより引用
パソコンやネット詐欺などの知識に多さによって、使って安心できるものか、かえってジャマに感じるものかの判断がわかれるようです。インターネットを日常的に使い慣れている人にとっては、あまりメリットとして受け入れがたいといった傾向があります。
良い口コミ
すでに詐欺ウォールを使用しているユーザーの口コミを見てみましょう。実際に機能したことで詐欺被害に遭う手前で詐欺ウォールによって助かった事例です。
”携帯とかパソコンに変なメールが入ってきて、間違って個人情報を入力すると後から悪用されたりするようなサイトだと警告が鳴るようなプログラムだそうです。こういうのいずれ出ないかなと待っていて。ノートパソコンを新しく買ったタイミングで出てくれて助かりました。”
Instagramより引用
”アンチパイラシースクリーンの動画を見ていたら、詐欺メールが来た…ちなみに1回このサイト押しちゃったんだけれど、詐欺ウォールのおかげで被害が出なかった!詐欺ウォール大切だな…気をつけねば…”
Xより引用
国税庁などと書かれていると、信用する人も多いのではないでしょうか。また送られたメッセージを見て、すぐに対応しなければ大変なことになると心配になるかもしれません。他の役所関係やカード会社、銀行を名乗ることもあります。
慌てて表示されたURLをクリックしたり、個人情報を入力してしまうと大変なことになるところでした。騙される前に気付かせてくれるので、役に立ちそうです。
まとめ
詐欺サイトと知っていて詐欺に遭う人はいないでしょう。ほとんどの人は詐欺サイトと知らなかった、または怪しく感じていたがサイトの内容に誘惑されて詐欺に遭ってしまいます。
詐欺被害は気が付いた時にはもう遅い、ということが多いです。その被害額は数万円から数千万円まであります。ニュースなどで聞くと、なぜそんな金額を振り込んだのかと思うでしょう。しかし詐欺に遭っている人のその瞬間は、舞い上がっていたり不安にあおられたりして平常心を失っているのです。
詐欺被害が発覚したらすぐに関係機関に連絡しましょう。
- 警察
- 金融機関・カード会社
- 消費者ホットライン(電話番号 188)
- 弁護士(法テラス)
警察や弁護士、銀行に相談して被害金額のうちのいくらかが返金される例もありますが、残念ながらほとんどの場合は戻ってこず、誰も補償してくれません。そして思うのは、「あのサイトに行く前になぜ気付かなかったのか」という後悔です。
また弁護士に相談するのは、「法テラス」をおすすめします。あわててネット検索で出た弁護士に依頼までしてしまわないようにしてください。
上記の赤枠は筆者の体験談です。
詐欺グループはいつまでも同じサイトで詐欺をはたらいたりしません。警察の追跡を逃れたり、新たな「カモ」を引き寄せるために定期的にサイトを更新したり、新たに作ったりします。これまでは警察と詐欺犯のいたちごっこでした。
詐欺ウォールは詐欺犯の過去のデータから検知します。警察からのデータを基に検知することもできます。そして新たなサイトに対してはAIなどを使って詐欺犯を先回りして検知してくれます。
あなたは詐欺犯にいくら騙し取られるでしょうか。まず怪しいサイトやメールには十分に注意する必要があります。その上で詐欺ウォールの活用はとても有効的です。
お目通しいただきありがとうございます。